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生命科学の研究者のブログ

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生きてる

気づいたら1年以上ブログを更新していなかった。

1年間の間に僕は無事に博士になり、その後ポスドクをやっている。
環境は変わったが、別にこの間も元気モリモリで研究していた。

なんとなくブログに時間を割く気にはならなかったので放置していた。

今でこそこうして記事を書いているが、別にまた定期的に更新する気になったわけではないので、
次の更新はいつになるかわからない。

ブログを書くことはなんというか、特に目に見える形で見返りがあるわけではないので、完全に自己満足のために書いてきたし、これからも自分が書きたいときに書くと思う。もしかしたら今後もっと記事を投稿するくらい心に余裕ができるかもしれないし、できないかもしれない。何が言いたいのかというと、書きたいと思ったときにまた書く気があるという意思表示をしたいのかもしれない。


学生からポスドクになって何か変わったかというと、変わったこともあるし、全然変わらないこともある。でも一つ確かなのは、自分がとても不安定な場所にいるなということ。3年後4年後どこで何をしてるのか全く読めないということは、ストレスに感じることもあるけれども、逆に色々な可能性が広がっていると思うようにしている。それにどこにいようが研究をしているだろうことは多分間違いないだろうし。次のステップへの選択肢をなるべくたくさん持つため、頑張らなきゃなと思う。

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[小説] 「幕が上がる」平田オリザ

幕が上がる (講談社文庫) 平田オリザ(著)

”私たちの創った、この舞台こそが、高校生の現実だ”

とある田舎の高校の弱小演劇部に、かつて学生演劇の女王と呼ばれた新任の顧問が現れる。新顧問の指導によって部員たちは演劇について理解を深め、メキメキと腕を上げていき、いつしか県大会よりも上のブロック大会を目指すようになる。高校生が抱える将来に対する漠然とした不安・苛立ちに演劇を通して向き合い、そして自らが熱中できるものを見つけていく、そんな物語。

やる気はあるのに何故だか成果は出ない。そんな状態から新しい顧問の指導によって世界がパッと開けていく様子がよく描かれている。部長の女の子が終始語り手なのだが、その語り口がすごく淡白で一見すると感情の起伏が薄いような印象も受けるけれど、逆にそれによって物語での出来事がテンポ良く平易に語られてイメージを膨らましやすくする効果があるのかもしれない。クライマックスに向けた部の緊張感は手に取るように伝わってくるし、そんな中に挟まれる高校生の他愛もない会話が青春を感じさせる。平田オリザはこの小説が処女作らしいが、ベテラン劇作家ならではというか、ベテラン劇作家だから書ける話なのだろう。

同性愛は生物学的に異常なのか?

少し前のニュースを騒がせたどこかの市議とか県議による「同性愛は異常」発言と、それに対する反応に思う所があるので記事を書きたい。

一連の発言を報じたニュース。
海老名市議 同性愛に対する 差別発言「同性愛者は異常動物」 炎上→削除
岐阜県議会で「同性愛は異常」と自民党元議長がヤジ 県職員のヘイト中毒問題めぐる質疑で


このニュースに対する2ch住民の反応。
海老名市議がツイッターに「同性愛は異常」 → 「差別」「人権侵害」と批判相次ぐ 痛いニュース
【速報】「同性愛は異常やぞ」とヤジ飛ばした岐阜県議、発言撤回せずwwww 使えるニュース2ch

2ch住民というのはとても偏りのある集団なので、日本人を代表する意見としては不適切かもしれないが、その匿名性によってより本音が書きこまれやすいので、人々が内心どう思っているかについて参考になる。

例外はあるが、これらの2ch住民による反応の中でよく見られるものとしては、同性愛は生物学的に異常であり、問題の発言も間違っていないといったところだろう。

さて、このような「同性愛は生物学的に異常」とする意見がいったいどこから来ているのかを考えると、2chという土地柄もあるので少なからずこの人の影響を受けている部分があるのではと考えられる。





このツイートに対して、「少数意見を尊重すべきでないと少数政党の人が言っている」という反応があって痛快だったが、このような性的少数者を差別的に見る傾向は、日本における性的少数者に対する無理解を象徴していると思う。




同性愛は「生物学的に異常」ではない

170: 名無しさん@1周年 2015/11/29(日) 12:10:23.79 ID:XTedLEsE0.net

生物学的には異常だろう。
種の存続に貢献しないんだから。


同性愛は生物学的に異常ではない。同性愛の個体はヒトだけでなく多くの高等生物で見られる現象であり、同性愛の個体が少数生じるということは種にとって正常なことである。むしろ生物学的に言うなら、集団の中で多様性が生まれることによってあらゆる生物が進化して繁栄してきた歴史がある。少数の性質を異常と排除することは多様性を否定することであり、種の繁栄に負の影響を及ぼす。

そもそも「種の繁栄のために子孫を残す」という発想を持つのはヒトくらいで、多くの生物はただ本能に従って子供を作って育てているだけであり、生物進化の大きな文脈で見ると人が種の繁栄を心配するのは余計な心配である。同性愛の性質を持つ個体は子孫を残さないので、同性愛的性質に淘汰圧はかからないはずだが、それでも多くの高等生物で同性愛の個体が見られるということは、同性愛の個体を生み出すような多様性が生物にとって重要であることを意味している。



社会的問題に対して安易に科学を適用すべきではない
そもそも性的少数者の議論の時に、どうして人々が突然生物学者になるのかは理解に苦しむ。僕は生物を専門に勉強し、その研究者としてプロになろうとしているが、上に引用したツイート元の少数政党の人はいったいどれだけ生物について知っているのだろう。どうして「生物学的に」正常なことと異常なことを人々はこうも簡単に断言できるのだろうと不思議に思う。「生物学的に」という言葉を付けると、あたかもそれが科学的に正しいことであるかのような印象を与えるが、このような問題に対して安易に科学の権威を盾にするのは誤りである。というのも、過去に人種差別が科学を盾にして正当化されてきた歴史があるからだ。科学は本来、何が社会的に正しくて何が間違いといったような、社会的な価値とは無関係に発展するものである。しかしながら、一部の科学的事実を悪用し、都合の良いように解釈することで、例えば人種差別と言ったような卑劣な行為が正しい事のように主張されることがある。このような歴史があるので、社会的問題に対して安易に科学の名を借りるべきではない。

性的少数者を巡る議論の本質は、それが生物学的に正常なのか異常なのかではなく、大多数の人とは異なる性質を持ったが故に苦しみや痛みを抱えている人々を社会がどうサポートできるのかということである。




同性婚を認めても人類は滅亡しない
「同性婚を認めると少子化になる」 「同性婚を認めると人類社会が続かない」 このような意見は一体何を根拠に言っているのだろう。何かこのことをきちんと統計学的に示した研究でもあるのだろうか?前述のように、同性愛の個体はヒトだけでなく様々な生物種で見られる。これは人がその祖先の類人猿から進化して分岐した時から同性愛が存在したことを示唆している。つまり人類は最初から少数の同性愛者を含んで繁栄してきた可能性が高い。同性愛者は子孫を残さないにも関わらずだ。同性婚を認めても異性愛者が突然同性愛になるわけではない。同性婚を認めると人類社会が立ち続かないという主張はちょっと理解できない。

これはwikipediaの記事から取ってきた日本の出生数と合計特殊出生率のグラフである。

これを見ると、日本の出生率は70年代から右肩下がりであり、この間同性婚が推奨されていたわけではない。少子化の主要な原因が同性婚の普及ではなく他のとこにあるのは火を見るより明らかだ。少数政党の人は少子化の心配をするなら同性愛者を差別するのではなくもっと別の問題に取り組んでもらいたい。

また、オランダは世界に先駆けて2001年に同性婚を認めた国だ。
オランダの出生率のグラフ


同性婚を認めた後も出生率の目立った低下は見られない。それよりもむしろ日本と同様に70年代に出生率が激減しており、同性婚以外の要因が出生率に大きな影響を与えることは簡単に予想できる。



もちろん中には同性愛者に対して寛容な意見も見られるが、少なくとも2chのまとめサイトを見る限り、日本は同性婚を制度として認めるには人々の理解が足りないと感じる。たぶんまだ多くの人は性的少数者に対して偏見や誤解を持っているのではないだろうか。もっと議論が成熟するにはまだ少なくとも何年もかかるように思う

リニューアルした国立科学博物館の地球館

国立科学博物館の地球館一部が2015年の7月にリニューアルした。

ちなみにこのブログで以前紹介した地下2階の生物進化の展示や、3階の大地を駆ける生命の展示は変わっていない。その他の階や企画で展示内容が変わっている。リニューアル後の展示内容はこんな感じだ。



リニューアルされた展示の中で、個人的に最も印象に残っているのは、一階展示室の入り口付近で、大きなスクリーンに映し出されるアニメーションだ。



スクリーンは3枚あって、それぞれ「宇宙」、「生物の進化」、「ヒト文明の発展」をテーマにしたオリジナルのアニメーションが常時流れている。これがとてもよく作られていて、文字や音声による説明無しに、生物進化・ヒト文明の歴史を概観できる。予備知識が無くても生物が好きなら見入ってしまうと思う。ちなみに予備知識があると、「お、これはP-T境界のことだな」とか「脊椎動物キターー」等、アニメーションの細部に気付いてテンションが上がってしまってその場から離れられなくなるので、注意が必要だ。

2階の展示では、実際に手で触って科学技術を体験する、体験型の展示が増えていて、子供がはしゃいでいる様子が見られた。2階の奥では科学技術の発展を追える展示があり、初期の自動車やコンピュータ、さらには人工衛星が展示されていた。「はやぶさ」に関する展示もあった。

地下3階では、ノーベル賞受賞およびそれに匹敵する業績を上げた日本人の科学者を紹介するパネルがあった。






「私は学者として生きている限り、見知らぬ土地の遍歴者であり、荒野の開拓者でありたい」

湯川秀樹

響くなあ。座右の銘にしようかな。

関連投稿
国立科学博物館のすすめ ~日本館編~
国立科学博物館のすすめ ~地球館編~

[小説] 「ティファニーで朝食を」 カポーティ


ティファニーで朝食を (新潮文庫) トルーマン カポーティ (著), 村上 春樹 (翻訳)

この小説の語り手は駆け出しの小説家である「僕」だが、この小説は紛れもなくニューヨークの社交界で名を馳せる女性、ホリー・ゴライトリーの物語だ。「僕」と同じアパートの階下で暮らすホリーは金持ちの男を周りにはべらせ、いつもパーティーに行ったり部屋でパーティーを開いたりしている。勝手気ままで自由奔放な性格だけど、どこか人懐っこく、情にも厚い。ものすごく美人というわけではないけれど、その魅力ゆえに関わる男達を次から次へと恋に落としてしまう。そんなホリーの生き様が「僕」を通して描かれている。

オードリー・ヘップバーンが主演した同タイトルの映画が有名だが、こちらは小説とは大分雰囲気が異なるようだ。自分はまだ映画は見たことが無いけれども。小説ではホリーという女性がとてつもなく魅力的に描かれていて、多くの読者を作中の男どもと同様にホリーに恋に落とすことで名作として語られて来たのではないかと予想する。

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あぴと

Author: あぴと
生命科学の研究者。ポスドク。東京という街が好きです。
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