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生命科学の研究者のブログ

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生命科学系の院試勉強

そろそろ6月も終わりで、2013年も半年が過ぎようとしている。






早すぎ






大学院の願書受付やらがそろそろ始まって、ラボの学部生がじきに院試休みに入る人も多いんじゃないかと思う。

自分が院試を受けた時を思い返すと、院試休みというのはまとまった勉強ができる良い期間だったように思う。僕の場合は院試の1か月半前から院試のための休みがもらえた。僕は家で勉強する派なので、部屋に引きこもって必死に勉強したのを思い出す。

生命科学系の大学院入試を受ける大学生へ、お勧めの本は何かと聞かれたら迷わず「Molecular Biology of The Cell」と答える。

Molecular Biology of the Cell 5EMolecular Biology of the Cell 5E
(2008/01/02)
Bruce Alberts、Alexander Johnson 他

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The Cellは言わずと知れた生命科学の一番有名な教科書だ。一番有名なだけあって、その内容も素晴らしい。簡潔過ぎず、なおかつ細かい情報が多すぎず、明晰な文で章ごとに内容がよくまとめられている。さらには、生命が辿ってきた歴史を踏まえてその進化の本質的な部分を説明している点が素晴らしい。要するにこれを読めば生命が何たるかが分かったつもりになる。

僕は院試前にはThe Cellを読んだことが無かったのだけど、院試休みを機に一気に読んでその素晴らしさを知った。そして院試にも受かった。The Cellは素晴らしい。無人島に一冊だけ携帯を許されるならThe Cellを選ぶかもしれない。

ちなみに、僕はこの時The Cellは原著、つまり英語で読んだ。

こう言うと驚く人が同業者でもたまにいる。「英語だと読むの大変じゃない?」と。確かに日本語で読むよりかは大変かもしれない。

しかし、そういう人は生命科学の研究をしていて論文を読むときにも「英語だと読むの大変じゃない?」と言うのだろうか。生命科学に限らず科学全般で論文は英語で書かれているのは誰もが知っている常識だ。研究するのに論文を読むという行為は必要不可欠である。なぜなら、論文を読まなくてはそもそも先行文献があるかどうかすらわからないし、先行文献の追試もできないし、方法や試薬も分からないし、と理由を挙げればきりがない。さらには、研究というのはそれだけではあまり意味が無く、論文として世に発表してこそ意味がある。論文を読まない人が論文を書けるのかというと、書けないと思う。

研究をするのに論文を読むことは不可欠だ。論文は英語で書かれている。ということは研究者を目指すなら英語を読むことは必要不可欠ではないか。むしろ、呼吸をするように論文を読む能力が求められていると感じる。英語が苦手な人でも研究者になりたいなら苦手を克服することが必要だろう。

したがって、僕が院試勉強にThe Cellを読もうとしたときに、日本語でなく英語版を取ったのは、僕にとっては至って当然のことだった。確かに大変かも知れない。読むスピードも日本語で読むより遅くなるかもしれない。しかしそれらを理由に日本語版を選択することは、問題を先送りしていることに他ならないと思う。研究するのに英語は絶対必要なのだ。読むのが大変だったり遅かったりするなら、それを克服することが求められているのだ。それに、院試で生物とは別で課される英語の科目そのものの勉強にもなる。


じゃあいつやるか





今でしょ!


という思考回路で院試勉強に英語版The Cellを選択したのだが、それがやはり誰にでも有効な方法ではないということは分かる。というのは、僕は一応コツコツと英語を勉強してきたので普通の人よりかは英語へのハードルが低かったと思われるから。それに文法は高校の時に真面目に勉強したので、辞書さえあれば内容を正確に捉えられる自信があった。せっかく素晴らしい教科書を読むのに、内容を間違って理解していては勉強の意味が無い。だから、英文法に自信の無い人は少なくとも院試勉強として上記の勉強を実践すべきではないと思う。

結論を言うと、




英語は真面目にコツコツやるべき。



文法があやふやな人は中学高校レベルからやり直すべき


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[気になるニュース] 森口氏、再び [iPS捏造騒動]

あまり報道で取り上げられていないようなので、記事にしてみる。

6月14日付けで科学誌NatureのWebサイトで書かれた記事がある。

Self-confessed liar publishes more dubious stem-cell work


"He’s back." (彼が戻ってきた)で始まるこの記事、何を隠そうiPS細胞に関する虚偽の発表で昨年話題になった森口氏についての記事である。騒動が一段落した後、一時期芸人になるという噂もあったが、結局テレビ局からも締め出され、その後の消息が不明だった彼である。

この記事によると、森口氏による論文がここ2ヵ月で3本、BMJ Case Reportsという査読ありの雑誌に掲載された。

しかしながら、3本の論文のすべてが昨年の騒動で取り下げられた論文の蒸し返しであった。3本とも森口氏がCorresponding author(責任著者)になっていて、他にJoren Madsonという著者の名前があった。Joren Madsonはボストンにある"Reprogramming inc."という会社の所属と論文には書かれている。しかしながら、Natureが確認したところそのような会社は見つけられず、当然のごとくJoren Madsonという人物の存在も確認できなかったという。森口氏の所属は千葉にあるReprogramming inc.になっているが、その存在も確認できなかった。

Natureが森口氏に事実確認のEメールを送ったところ、次のようなメールが返ってきたという。
"Thank you very much for your interest. This week including today is difficult as I am in hospital. In another days (next weeks, etc), I appreciate if I can discuss about the issue via e-mail. I look forward to hearing from you via e-mail."


Natureの記事の内容は以上だ。

この記事は一種のスクープのような形で書かれていて、Natureが独自に検証した内容のようだ。表面上はあくまで紳士的な記述に留まっているが、最後に文法が滅茶苦茶で稚拙な言い回しの彼のメールの原文を載せる痛烈な皮肉で終わらせている。

たぶんまともな科学者で彼の言うことを信用する人はすでに皆無だろうから、大方の反応としては「やれやれ、またやってんのかよ」といった感じだと思う。

問題はこのような明らかに出所が真っ黒の論文が査読ありの国際誌に載ってしまったことだろう。Natureの問い合わせによって雑誌側も森口氏の3本の論文について調査中とのことなので、じきに昨年と同じように取り下げられるだろう。BMJ Case Reportsという雑誌は、僕の大学内からでもAbstractしか読めないので、どのようなクオリティーのFigureが論文に載っているのか判断がつかないが、出版の前に気づくことはできなかったのだろうか。

森口氏については、もはや逆に気の毒に思うこともあるが、研究者の一人としてはこのような捏造論文がこうも簡単にpublishされてしまうことを危惧している。査読や出版の過程は性善説に基づいているので、気づいた読者が告発していくしかないのだろうか。

ブログアクセス数から見る学振申請書執筆時期の考察

このブログは今年の1月に立ち上げた。1月の後半に学振の内定があり、2月には今ある一通りの記事を書き終えた。以下にこのブログの2月から5月までのアクセス数のグラフを示す。

アクセス数 

具体的な時期は覚えていないが、たしか3月くらいから「学振」や「学振 書き方」をGoogleで検索すると、このブログは常に20位以内に表示された(多くの期間は10位以内。つまりトップページ)。この間、ブログを訪れる人のうち、大体80%くらいはGoogleやYahooで学振関連のキーワードを検索して来た人だった。

そこで大胆ではあるが、
ブログのアクセス数=学振の申請書を書いている人々
と仮定して、グラフを眺めてみよう。

まず大まかなグラフの形状を見てみると、三月の後半からゴールデンウイーク(GW)にかけて指数関数的に上昇している。

今年度申請の申請書様式の公開が3月11日だったから、様式が公開されると同時に一部の人はその書き方の参考をネットに求めて検索を始めている。早い人は書き始めているかもしれない。

そしてGWに入る直前に最初の極大値がある。これはおそらく指導教官などによって設定された第一稿の締め切りがこの辺に多いのではないかと予想している。とりあえず学生に大枠を書かせ、それをGWの間に指導教官が添削するといったようなシチュエーションが考えられる。

興味深いことは、GWの前半に入るとブログのアクセス数が急落したことだ。




そう、つまり、


学振申請者といえども
GW前半は

(もちろん全体の傾向がそうなだけで遊ばずに書いてる人もいます。)

(別に遊んでいる人を批判しているわけじゃないです。息抜きは大事!)


GWが終わるとアクセス数が戻る。不思議なことにGW後半は前半と比べてアクセス数が減少しない。


GW後半
あまり遊べないらしい



そしてGW終了後に2回目の極大値が来る。これはおそらくこの周辺に学内締め切りがあり、直前に追い込みで書きあげている人が多いのだろう。


ところで、僕の大学の今いる研究科でもGW終了後くらいに一次提出を求められる。ここでは主に申請者情報などの書式に問題が無いか大学院係の方がチェックしてくれる。大学院係は当然のことながら研究計画の内容などはチェックしない。先輩に聞いても「一次提出では研究計画とかは別に白紙でも問題ないよ?」と言われたので、僕の時も研究計画は途中のまま埋めるべきとこだけ埋めて一次提出を済ませた記憶がある。そこから5月後半の最終の学内締め切りに向けてじっくりと書きあげた。しかし、このグラフを見ると、一次提出の時点で完成まで持って行っている人も多いのではないかと感じた。

5月の2週目を過ぎたあたりから段々とアクセス数は減少していき、6月になると「学振」で検索してブログを訪れる人は格段に減った。5月の終わりに学内最終締切がある大学が多いようだ。

また、グラフのところどころで急激な減少と数日後の回復が繰り返されているのに気づくだろうか。
これ、他でもない「週末」だ。
土日になるとアクセス数が急減した。

個人的な経験からすると、平日はむしろ実験等で忙しかったから、土日に一生懸命書いた記憶があるのだが、世間一般的には土日は執筆を休む人が多いようだ。

それが正常な過ごし方だろう。


それからグラフには反映されていないが、5月の中旬以降になると「学振 評価書」で検索してくる人の割合が増えた。研究計画を先に書いて、評価書は割とギリギリに書いてもらう(自分で書く?)人が多いらしい。


以下学振申請書執筆時期の考察のまとめ
・本格的に書き始めるのは4月に入ってから。
・最も執筆が盛んなのはGW前後
・GW前半は遊ぶ
・土日は執筆を休む
・評価書は後から用意する



誰が得するのかわからないが、ブログ開設のタイミング的に結構貴重なデータだと思ったのでまとめてみた次第だ。参考までに。

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あぴと

Author: あぴと
生命科学の研究者。ポスドク。東京という街が好きです。
興味のあること:
生命科学、基礎医学、進化生物学、英語、読書、美術、音楽

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