東京BLOG

生命科学の研究者のブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

集団主義の功罪

Youtubeの番組でKids reactというシリーズがある。
アメリカのTheFineBrosとかいう兄弟が作成して投稿している。

この番組が結構おもしろいのでたまにチェックしている。
一本の動画のタイトルがそれぞれ「Kids react to ○○○」となっていて、
特定の動画やテーマに関するアメリカの子供たちの反応をまとめている。

日本由来の文化を扱った回もある。






このシリーズ、最初は「Kids react」だけだったのだが、
その後派生シリーズとして「Teens react」「Elders react」
なんかも作られている。

Teens reactは高校生くらいの子供たちが特定のテーマに対して反応している。




Elders reactは文字通り「お年寄りの反応」だ





動画の中で、動画作成者が子供達に次々と質問を投げかけていくのだが、
よく瞬時に自分の意見を答えているなと思う。
当然そうやって受け答えできる子を雇っているのだろうが、
もしこの番組の日本版を作るとしたら、
こんなに面白い番組が出来るのだろうかと疑問に思う。

そもそも、顔出しで出演をOKしてくれる子はどれだけいるだろうか。

これにはまずネットに顔という個人情報を出すことにリスクを感じるという問題がある。
もしかしたら極端な視聴者からストーカー被害を受けるかもしれない。
確かにそうなっては問題で、拒否する気持ちもわかる。
しかし、もっと別の大きな問題があるんじゃないかと思う。

個人情報のリスク管理をしっかりしていても、
番組の視聴者が増えれば、学校のクラスメートには遅かれ早かれ必ずばれる。
そうなればクラスメートに自分の赤裸々な意見が知られてしまう。
実は多くの人にとってこれが大きな問題になるんじゃないかと思う。




日本人は集団の和を大事にする。
自分の望んでいることが集団の方向性に反する場合、
自分を押し殺して周りの流れに従う。

そういう背景もあってか、「自分が周りからどう思われるか?」
ということを過度に気にする人が多いんじゃないかと思う。
というか、実際自分もかつてそうだった。

例えば、質問されて自分の意見を言おうとする。
しかし、それを言葉に発する前に、
そういう意見を言うことで自分がクラスの皆にどう思われるかを考える。
その結果が芳しく無かった場合、別の無難な意見に変えて答える。

たぶん大多数の人でこういうことが起こるのではないかと思う。
欧米人にはそんな文化は無いので、
彼らは自分の思っていることを即座に答えてしまう。
もしかしたら、日本人の議論下手はこういう土壌があるからなのかもしれない。


振りかえると、特に中学生の時は、
周りから変な風に思われたらどうしよう、
馬鹿にされたらどうしよう、
というのが行動の規範になってた気がする。
今思えば本当にくだらないことを気にしていたなと思う。

日本におけるこういった集団主義というのは、
良い面ももちろんあるだろうが、基本的に息苦しいものだと思う。
異分子や際立つ個性に寛容で、互いに尊敬しあう方が心情的に楽だ。


最近読んだ小説で、似たような心理を上手く描いているものがある。
桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)
(2012/04/20)
朝井 リョウ

商品詳細を見る


昨年映画化されてアカデミー賞も取ったので知っている人も多いだろう。
たぶん誰もが心当たりのある高校生の集団心理を上手く表現している。
朝井リョウの作品を読むのは初めてだったが、
ぜひ他の作品も読んでみようと思う。


もし自分が子供を育てる時が来たら、
「誰かにどう思われるかなんて大した問題じゃないんだ。君は君で良いんだ」
と言ってあげたい。そんな時が来たらの話だが。

スポンサーサイト

« 東京の桜ハイライト2013@東京BLOG|Top|[英語] 発音の重要性 »

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://tokyocicada.blog.fc2.com/tb.php/26-2f4183e6

Top

HOME

あぴと

Author: あぴと
生命科学の研究者。ポスドク。東京という街が好きです。
興味のあること:
生命科学、基礎医学、進化生物学、英語、読書、美術、音楽

Twitter始めました



mail: tokyocicada☆outlook.jp

学振関連記事のまとめ


にほんブログ村

この人とブロともになる

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。