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[小説] 「かわいそうだね?」 綿矢りさ

小難しいことやリスクを考えずに欲望のままに生きれるのなら、それに越したことは無いと思う。実際は社会のルールやマナーを一々考えなくてはいけないので、なかなかそんな生き方はできない。それでも比較的自分の欲求に忠実生きている人を見ると、羨ましく思うことがある。この小説の主人公も、小難しいことを一々考慮して生真面目に生きているタイプだ。その甲斐あってそれなりの社会的地位と安定した収入を確保できてはいる。しかし、それ以外の点では真面目さ故にどこかで損をしてしまう。この小説では、生真面目に生きる主人公の女性の苦悩を、自分の欲求に忠実に生きたいように生きるもう一人の女性と対比させるという形でありありと描いている。

綿矢りさの作品を読むのは「蹴りたい背中」以来だった。おそらく「蹴りたい背中」から作品のスタイルとしては変わっていないのだろうけど、より作品が味わい深くなっているように感じた。主人公の生真面目な生き方に僕自身が共感できたというせいもあるかもしれない。ものすごく日常的な題材を読者が楽しめる形で当然のごとく描くことができる稀有な作家だと思う。

表題作ともう一遍の短編が収録されている。もう一遍の方も楽しく読めた。綿矢りさの小説は他のも読んでみたい。

かわいそうだね? (文春文庫)かわいそうだね? (文春文庫)
(2013/12/04)
綿矢 りさ

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Author: あぴと
生命科学の研究者。ポスドク。東京という街が好きです。
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