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[小説] 「潮騒」 三島由紀夫

潮騒 (新潮文庫)潮騒 (新潮文庫)
(2005/10)
三島 由紀夫

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200ページ弱の短編小説だが、半分くらい読んだあたりから、この心温まるストーリーがどうか悲劇で終わらないでほしいという一心で読み進んだ。三島由紀夫の小説は他にもいくつか読んだことがあるけれど、これまで読んだ小説と一線を画す内容だったので驚いたが、同時にこんな話も書けるのかと三島由紀夫のイメージが変わった。

三重県の歌島(現在の神島)という離島を舞台にし、若い男女の恋を描く青春小説だ。印象的だったのは一人を除いてほぼすべての登場人物が美しく魅力的な側面を兼ね備えていたこと。色事には不器用ながらも真面目で誠実で優しい青年。その青年に思いを寄せる、裕福な家庭に育ちながらも公平で優しく健気な女の子。こっそり青年と会っているのがばれて、親から青年に会うのを禁じられながらも「私の心はあなたのものです」なんてしたためた手紙を毎日書いてよこすとは体中の皮下がむずがゆくなるくらい魅力的。思わずリア充爆発しろ!!!!!!!と現代風に罵りたくなるくらい魅力的。

離島で最新技術から取り残され、一見古風な風習と生活様式を持っているようでも、根幹の部分ではすごく人間的で優しく島民が描かれているのがとりわけ印象に残っている。こういう移りゆく技術や社会と無関係な人々の人間的な部分を離島という舞台を借りて強調したかったのではないかと推測する。

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Author: あぴと
生命科学の研究者。ポスドク。東京という街が好きです。
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