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[小説] 「さらば、夏の光よ」 遠藤周作

さらば、夏の光よ (講談社文庫)さらば、夏の光よ (講談社文庫)
(2013/12/13)
遠藤周作

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"吹雪がおさまったあとの山をあなたは知っているだろうか。山小屋の扉を押しあけてその銀色の世界と向き合う時、私はその眼もくらむような白い拡がりよりは、そこを支配している沈黙にうたれる"

とある大学で講師をしている小説家が、ひょんなきっかけから学生の恋の仲人を務めることになる。一人の学生が同じ大学の綺麗な女の子に恋をし、近づくための試行錯誤を経た結果結ばれる。しかし、実はその男子学生の親友も同じ女性に恋をしていた。小説家は学生たちの時に微笑ましい、時に過酷な青春の一部始終を目撃することとなる。

物語で、思いを寄せる女の子を親友に取られてしまった学生・野呂は、ずんぐりと太っているうえ低身長で、女性たちから「生理的に受け付けない男子」として忌み嫌われている。いくら真面目で優しい性格を持っていても、女性たちの恋愛対象にはなれない。そんな野呂が恋に落ちた時、相手から好かれることが無いと分かっていながら、それでも相手を思う気持ちは捨てられず、相手からの愛を一度でも受けてみたいという葛藤を抱える。幸せに終わるかのように見えた学生たちの青春は、とある出来事により厳しい運命を辿る。

デートを重ねていくうちに積もっていく二人が共有した時間。何気ないやり取りから感じる幸福。自分が愛している人から愛される資格を持ち合わせない苦悩。そばにいて相手を思っていても決して通じ合わない孤独。決して救いや答えがあるわけではないが、青春の日なたと影の側面をスパッと描いていると思う。

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Author: あぴと
生命科学の研究者。ポスドク。東京という街が好きです。
興味のあること:
生命科学、基礎医学、進化生物学、英語、読書、美術、音楽

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